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2022年3月15日

摂食障害と歯。嘔吐後の正しい対処とは

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過食嘔吐の症状がある方の多くの悩みの一つに歯の問題があります。止められない衝動と比例するように襲う歯への心配。歯の問題は、具体的には酸蝕症です。中には20代のうちに入れ歯への入れ替えが必要になる場合もあるようです。今回は歯の問題について取り上げます。

胃酸で歯が溶ける酸蝕症とは

酸蝕症とは、胃液が口腔内に逆流することで歯が溶け出してしまい、知覚過敏冷水痛がみられる病です。重症になると噛み合わせ時の痛みを生じたり歯が折れたりする(破折)ことがあります。

また歯の表面が白濁したり、黄ばんでしまったりということも多くあります。虫歯になった場合も歯が溶け出し、同様の症状に苦しみますが、虫歯の原因はミュータンス菌など“虫歯菌”と呼ばれる細菌によるもの。しかし酸蝕症は、酸性の飲食物や体内からの酸が原因となります。

摂食障害では食べる衝動が抑えられず、常にお菓子や甘いものなどを大量に口にするといったケースもみられます。通常食後は口の中が酸性に傾いていますが、唾液の作用により徐々に中性に戻っていきます。この時エナメル質の修復が起こりますが、常に何かを口にしていると酸性に傾く時間が長くなるため修復できず、虫歯もできやすくなります。

嘔吐後の対処法とは

摂食障害の症状で嘔吐を行ってしまった際に行ってほしいことです。

1.真水で30回以上口をゆすぐこと
2.研磨剤の入っていない歯磨き粉を使い歯磨きをすること

傷ついた歯を更に傷つけないことが大切です。真水で口をゆすぐことは口腔内の酸を中和する効果があります。そして、研磨剤の入っている歯磨き粉は更に歯を削ってしまう恐れがあるので避けましょう。

また、定期的な歯医者への通院も欠かせないでしょう。フッ素での加工は歯を溶けにくくさせてくれます。酸蝕症も医師の判断と治療が必要です。

摂食障害の症状ケアも大切ですが、今できることを少しずつ取り組んでいきましょう。

参考:摂食障害情報ポータルサイト(https://www.edportal.jp/topics_04.html
   恵比寿ミカ歯科クリニック(https://ebisu-smile.jp/treat/aciderosion.html

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